タイトル:となりの陰謀論
著者:烏谷昌幸
出版社:講談社
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インターネットを使わない日はない現代。
自分から検索しなくても、さまざまな情報が目に入り、影響を受けています。
本書『となりの陰謀論』は、そんな中で陰謀論に振り回されないための知恵を与えてくれる一冊です。
ここがおもしろかった!
脳は偶然の一致に過剰な意味を見出す傾向があるそうです。
確率的に起こり得ることでも、受け入れられず、物語として昇華してしまう。
「偶然ではなく必然だ」と思いたい心理が、陰謀論を生んでしまうのだとか。
こうした脳の習性を知っておくだけでも、不安を抱えすぎずにすみます。
読んで気づいたこと
陰謀論とは「出来事の原因を誰かの陰謀と決めつける考え方」。
無意識に受け入れている常識も、実は陰謀論かもしれません。
人間は誰もが陰謀論を信じやすい素質を持っており、世界をシンプルに解釈したい欲望がそうさせるのだと知りました。
日本の昔話や時代劇で「悪人を成敗すればみんな幸せ」という単純な構図が描かれることがありますが、これも陰謀論と通じるものがあると指摘されていて、なるほどと思いました。
学びになったポイント
- SNSの普及で陰謀論が一気に広まった
- 主要メディアの報道も、意図せず陰謀論に加担してしまうことがある
- 「自分は陰謀論に騙されない」と過信しないことが大切
- 信じないと決めた情報は「隔離」して固執しない
特に「躍起になってすべての情報を疑い続けるのは本末転倒」という一文にはハッとしました。
こんな人におすすめ
- SNSで目にする情報に不安を感じている人
- 陰謀論にどう向き合えばいいか知りたい人
- 情報に振り回されず、冷静でいたい人
「陰謀論に振り回されない自分」を持ちたい人に読んでほしい一冊です。