タイトル:「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる
著者:鴻上尚史
出版社:岩波書店
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この本を読めば、「世間」や「同調圧力」といった抽象的な概念を、具体的な事例を通じて理解することができます。
そして、日本では“正しい”とされていることも、世界ではそうとは限らないという、新たな視点が得られます。
もちろん、日本の文化や伝統には、大切にしたいものがたくさんあります。
でもその一方で、時代に合わなくなっている習慣や価値観も確かに存在する。
特に一部のルールや考え方は、ある時代の“誰かの都合”で作られたものだったりします。
そして当然ながら、「誰かの都合」によって作られた価値観やルールが、すべて正しいとは限りません。
世間からの「〇〇しなければならない」という圧力に違和感を覚えたときは、
それが時代遅れの価値観かもしれないと疑うこと。
そして、その価値観を受け入れるかどうか、自分で決める習慣を持つことが大切だと思いました。
あらゆる価値観を“なんとなく”受け入れ続けてしまえば、いつの間にか心はすり減っていきます。
たとえば、
「年上は偉いのだから、無条件に尊敬されるべき」
——という価値観を持つ人は、年下に対して偉そうな態度を取ってきますよね。
でもここで一度立ち止まって考えます。
- 年上という理由だけで、本当に尊敬すべき?
- 尊敬すべき人は、年齢に関係なく尊敬できるはず。
つまり、尊敬は“年齢”ではなく“人間性”で決めればいい。
自分なりの答えが出たなら、あとはその考えに従えばOKです。
ちなみに私は、尊敬できないのに偉そうな人とは、丁寧に距離をとって二度と関わらないようにします。
ただし、それでも相手に対して失礼な態度は取りません。
どんな相手にも“尊重”の気持ちは忘れない。これも自分の価値観のひとつです。
「〇〇しなければならない」に対して、「理由は分からないけど、なんとなく嫌だな」と感じたなら、
それは、時代遅れの価値観を押し付けられているサインかもしれません。
そんなときは、その価値観を一度疑って、自分なりの考えを持ってみる。
すると、きっと心が軽くなります。
人と関わることに息苦しさを感じている方に、ぜひおすすめしたい一冊です。