タイトル:たった1分で相手が虜になる世界標準の聞き方・話し方
著者:斉藤 真紀子
出版社:PHP研究所
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ジャーナリスト・斉藤真紀子さんによる本書は、インタビュー現場での豊富な体験をもとに、相手との距離を自然に縮めるコミュニケーションの要点が語られています。
雑談のテクニックや会話術のハウツー本は数多くありますが、本書がユニークなのは、「相手を傷つけないこと」を第一に据えている点です。これが意外と、抜け落ちがちだと、つくづく思います。
思い返せば、過去に自分が発した一言を「余計だった」と後悔したり、逆に、相手が良かれと思って発したであろう一言にモヤモヤしたり…誰にでもある経験でしょうか。
この本は、そうした場面に対する洞察と、気づきを与えてくれます。
また、レディー・ガガさんやヒュー・ジャックマンさんといった国際的著名人への取材エピソードも交えられており、インタビューアーという職業の裏側を垣間見ることができる点でも興味深い内容です。
注意点としては、著者の経験談は、「インタビュー」という役割が前提(著者はインタビュアー、コミュニケーションの相手は、インタビューを受ける人)となっているため、そのまま日常会話に適用するにはややズレがあるように感じました。
ただし、「避けるべき話題・表現に敏感であること」や「相手が答えやすい質問をすること」といった、すべての対人コミュニケーションに通じる普遍的なヒントも多く含まれています。
対談が仕事の人はもちろん、感じのよいコミュニケーションをしたいと思っている人に読んでほしい一冊です。