タイトル:”正しい”を疑え!
著者:真山仁
出版社:岩波ジュニア新書
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本書はジュニア向けの新書ですが、大人にも役立つ内容です。
特にSNSが手放せない日常を送っている人にとって、自分が知らず知らずのうちに影響を受けすぎていないかを確認するきっかけになります。
ここがおもしろかった!
「自分が信じていることが正しいとは限らない」
「相手と話せば必ず分かり合えるとは限らない」
この2つの指摘が強く印象に残りました。
見えているのは一面でしかないのに、つい「決めつけ」や「価値観の押しつけ」をしてしまう。
日本人に根強い「話せばわかる」は、実は世界的には非常識なのだそうです。
読んで思い出したこと
以前、知人から「話せばわかるから」と延々と説得をされた経験を思い出しました。
私が同意するまで話が止まらず、結局その場を取り繕って撤収。その後2人だけで話すことはなくなりました。
「価値観が違えば、正しいも違う」という本書のメッセージは、こうした実体験とも重なります。
気づきと学び
- 根本的な価値観が違えば、共感できるわけがない
- 信頼している人の言葉でも、相手自身が騙されている可能性がある
- だからこそ「疑ってから信じる」姿勢が必要
また、SNS上では根拠のない情報が思い込みで拡散されてしまう現実にも触れています。
「知見を積む」「知らない言葉は調べる」ことの大切さを改めて感じました。
納得したポイント
小説を読むことで価値観の多様性を学べる、という部分は面白かったです。
共感できるキャラクターもいれば、まったく共感できないキャラクターもいる。
そうした“引き出し”を増やしておくことで、現実で出会ったときに戸惑わなくなるのだと気づかされました。
こんな人におすすめ
- SNSでの情報に振り回されやすい人
- 「話せばわかる」と信じ込みやすい人
- 他人の価値観を受け止める柔らかさを持ちたい人
「正しさ」に疲れてしまった人に読んでほしい一冊です。